技術担当のKです。最近、道内を飛び回ることが多く、その土地土地でいろいろな物を目にすることがあり、まだ自分には知らないことが沢山有ったのだと、目から鱗を落とす日々です。

さて、弊社では、社長の方針もあって、従業員教育にボードゲームやカードゲームが活用されています。ゲームと侮るなかれ、中には大の大人が真剣に悩み、読み合い、苦しみながらやらざるを得ない物もあり、おおよその人が想像する「人生ゲーム」や、「億万長者ゲーム」といった物とは趣を違うゲームが、沢山世の中にあります。(もちろん、これらの作品も面白いのですけどね)

自分の利益をひたすら考えたりするゲームや、他の全員と協力してタスクをこなさないといけないゲーム、他者とのコミュニケーションが物を言うゲーム、果てには選挙へ出馬するゲームなど、本当に様々なゲームがありますが、最近(といっても、半年ぐらい前ですが…)感銘を受け、これは仕事のシミュレーションに非常に役立つ、というゲームがあります。

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ナショナルエコノミーというゲームで、スパ帝国様(http://spa-game.com/)が発売する、ワーカープレイスメントという種類のゲームです。字面の通り、端的に表すと「労働者を配置する」ゲームとなります。この種類のゲーム、非常に沢山の物(プエルトリコなど、このあたりはまた別の機会に)がありますが、このゲームが秀逸だと思ったのは、実体経済社会の一部分をズバっとカードゲームに落とし込まれているところです。

場所が場所なので、おおまかな流れとゲーム感しかご説明いたしませんが、

1)労働者を適切な職場へ配置させる

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2)利益に繋がる行動をとらせる
3)労働者に給与を払う

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という非常にシンプルな流れで行なわ、かつ、過度に運の要素に影響しない構成となっています。

ゲームの目的は非常にシンプルで、「財(利益)を集めたプレイヤーの勝ち」となっています。財には、現金及び自社が建築した建物による点数が主となっています。

1)労働者を適切な職場へ配置させる

広義での生産を行なうために、労働者を職場へ配置します。職場は、参加者全員で共用するものから、自社だけが独占して使用できるものがあります。自分が行ないたい方針に基づいて、労働者を適切に配置していきます。

2)利益に繋がる行動をとらせる

1と密接に関連していますが、このゲームの世界観として、運の要素があまり大きくなく、かつ、お金に対してシビアにならざるを得ないという点があります。そのため、無駄な行動をしていると、たちまちゲームの世界的には破綻していきます。そのため、適切な職場へ配置し、利益に繋がる行動をとらせる(ひいては、自分が選択していく)必要があります。

3)労働者に給与を払う

そして、各ラウンドの最後に、自分が雇用している労働者へ給与を支払います。これは、ゲームの進行に伴い上昇していくため、「序盤に成功した戦術」を延々とり続けることが不可能となっています。

仮にお金が無い場合、自社の職場を売却する(売却すると、全員で使える職場となってしまうため、自分だけ得することが出来なくなる)。か、負債を抱え込むしかありません。

●お金を稼ぐって難しいね

日本では若干タブー視されているお金にまつわる話。このゲームでは、否が応でも考える必要が出ます。

このゲームでお金を手にするのは困難を伴います。先ほどの給与を支払うについての話ですが、労働者に支払われた給与は全体で「家計」という概念で扱われます。ゲーム中にお金を手にしようとした場合、この「家計」からしか、お金を手にする事ができません。

例えば、カードを1枚捨てることによって、15$手に入れるという効果の職場があります。この前提は、「家計」にお金が有る事となっています。通常のゲームですと、「銀行」という概念があり、そこからお金が沸いてくるのですが、このゲームはそれがありません。

そうすると、お金が無い場合どうするのかというと、自社の建物を売り払うしかなく、この場合にのみ「銀行」から「家計」へとお金が流れていきます。

この部分がミソで、さながら狭い1国(地域?村的会社社会?)の経済をそのまま表しているとも言えます。財を手にするためには、何らかの方法で外から(家計)手にすることが必要で、更に必要となれば、その外(銀行)からお金を稼ぐ必要が生じます。そうでなければ、自社内だけで使用する通貨でも発行して、自社内のサービスに使えるようにして、ということが必要になりますが、2016年の現代で、そんな植民地経済なんて行えるはずもありません。

自社を豊かにしたければ、職場を建てることによって、財を増やす必要があります、しかし、それに偏らせすぎると、今度は手元のキャッシュがなくなり、労働者に給与を支払うことができません。さらに、労働者を雇うことを差し控えれば、効率よく仕事を回すことができず……あれ、これって、日本のいたるところで見られる光景じゃないですか?

ということで、ゲームにしてはかなり「経営」という要素をシミュレートしているゲームとなっています。とはいえ、先ほどの運の要素が無いということにも関連しますが、「労働者は必ず100%の労働効率を発揮する」であったり、「外的要因が無い(家計が景気動静に左右されない…とはいえ、誰かが家計を抑えにかかると、他のプレイヤーは苦しくなるのですが)」ことなど、もちろん完全というものではありません。

ただ、この苦しい葛藤をゲームで疑似体験することで、少しは経営や判断に役立つのかな、とこっそり思っています。